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CAR AUDIO LAB / 04

スピーカーを交換するだけでは、 なぜ音は良くならないのか?

スピーカーの性能が上がることと、車内でその性能を発揮できることは別の話です。

良いスピーカーを選ぶことは、大切です。
でも、それだけでは音は決まりません。

カーオーディオを良くしたいと思ったとき、最初に思い浮かぶのが「スピーカー交換」ではないでしょうか。

純正スピーカーから、より高性能なスピーカーへ交換する。これは、音の出口が持つ再生能力を高める、とても有効な方法です。

ただし、良いスピーカーを付けたことと、そのスピーカーが良い状態で鳴っていることは同じではありません。

01 / THE SPEAKER

スピーカー交換は、もちろん重要

純正スピーカーには、車両コスト、重量、設置スペースなど、さまざまな制約があります。

より良質なスピーカーへ交換することで、細かな音や質感を感じやすくなり、モデルや取り付け、調整に応じて低域や中高域の再生能力を引き出しやすくなります。

音の出口であるスピーカーの能力を上げることには、きちんと意味があります。

車両へ丁寧に取り付けられた高品質なドアスピーカーの接写

スピーカーそのものの再生能力を高めることは、音質改善の大切な入口です。

02 / ONE SYSTEM

同じスピーカーでも、結果は変わる

同じスピーカーを使っても、取り付ける車や施工方法、組み合わせる機器や調整によって、出てくる音は同じにはなりません。

実際に音楽として鳴るまでには、取り付け、ドア環境、アンプ、DSP・調整、そして聴く位置が関係しています。

スピーカーは、単体で鳴っているわけではありません。

スピーカーを中心に取り付け、ドア環境、アンプ、DSP調整、聴取位置がつながるシステム図

一つひとつの要素がつながって、はじめて一つのカーオーディオシステムになります。

03 / DOOR ENVIRONMENT

車のドアは、スピーカー専用の箱ではない

ホームオーディオでは、ユニットだけでなく周囲の箱まで含めて一つの製品として設計されています。

一方、車のドアには窓やロックの機構、内装パネルなど多くの部品が収まり、金属や樹脂など複数の素材が使われています。振動や反射の条件も車種ごとに異なります。

同じスピーカーでも、どんな環境で鳴らすかによって結果は変わります。

内張りを外した車両ドアへスピーカーを取り付けた状態

車両の構造を踏まえ、スピーカーが安定して働ける環境を作ります。

04 / INSTALLATION

取り付け方でも、音は変わる

高性能なスピーカーほど、固定状態、周囲の安定性、車両側とのつながり、位置や向きといった取り付け条件が大切になります。

MSTが考えるインストールは、単に「車に取り付ける作業」ではありません。

スピーカーの性能を、車内で使える状態にする工程。そう考えています。

車両のAピラーへ自然に取り付けられたツィーター

位置や向き、車内への収まりまで含めて、システム全体から設計します。

05 / LISTENING POSITION

左右のスピーカーも、同じ条件ではない

日本の右ハンドル車では一般的に、運転席から右側のスピーカーは近く、左側は遠くなります。

同じスピーカーを左右に取り付けても、耳までの距離、音が届く時間、車内での反射、ほかのスピーカーとの位相関係は同じではありません。

ここで関係するのが、DSPタイムアライメント位相、クロスオーバーといった調整です。

良いスピーカーだからこそ、整えて使う。

右ハンドル車で運転席と左右スピーカーまでの距離が異なることを示す俯瞰図

左右で異なる距離と車内条件を、聴く位置に合わせて整えていきます。

06 / AMPLIFIER & DSP

アンプやDSPは、スピーカーを活かすための要素

必ずしも最初から、すべての機器を交換しなければならないわけではありません。

アンプは単に大きな音を出すだけでなく、スピーカーを安定して動かすための要素。DSPは、左右の距離差や複数スピーカーのつながりを整えるための要素です。

重要なのは機器を増やすことではなく、今のシステムで、どこがボトルネックになっているかを見ることです。

ノートパソコンと測定機器を使ってカーオーディオのDSPを調整する様子

車内で測定と試聴を重ね、複数の要素が自然につながる状態を作ります。

「スピーカー交換だけ」で良くなるケースもある

車両の純正システムや現在の状態によっては、スピーカー交換だけでも十分に変化を感じられることがあります。

逆に、純正側で複雑な音質補正が行われていたり、取り付け条件が厳しかったりすると、スピーカーだけでは期待した結果にならないこともあります。

Current System

純正システムの構成と、現在の音の状態を確認します。

Installation

取り付け位置やドア環境に無理がないかを見ます。

Goal

どのような音や使い方を望んでいるかを整理します。

Priority

必要なところから、無理のない順番でご提案します。

必要なのは、部品を増やすことではなく、今の状態を知ることです。

07 / MST APPROACH

何を付けるかより、どう成立させるか

高価なスピーカーは優れた能力を持っています。しかし、その能力を活かすには、車内という環境の中で取り付け、構造、時間、位相、エネルギーを整える必要があります。

一度、音がぶれない土台を作る。そこから、スピーカーが持つ質感や表現力を活かしていく。

それがMSTの考えるスピーカーアップグレードです。

車内へ自然に収まった完成後のドアスピーカーグリル

製品の存在を主張させるのではなく、車内全体を一つの音楽空間へ整えます。

スピーカーを替えることが、ゴールではない

スピーカー交換は、カーオーディオを良くするための大切な入口です。

ドア、取り付け、アンプ、DSP、調整、そして車内空間。それらがつながって、初めて一つのシステムになります。

良いスピーカーを選ぶことと同じくらい、そのスピーカーがきちんと鳴れる環境を作ることが大切です。

どこから変えるべきか、分からなくても大丈夫です。

スピーカー交換だけで十分なのか。DSPまで考えた方がいいのか。今の機材を活かせるのか。車種と現在のシステム、そして「どんな音にしたいか」を確認しながら、必要なところからご提案します。

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NEXT / CAR AUDIO LAB

次に読む:クロスオーバーとは?

複数のスピーカーへどの音域を担当させ、どう自然につなぐのか。次回は、クロスオーバーの役割を解説します。